ともに働き・ともに生きる~生活困窮者自立支援法施行に向けて~
厚生労働省が10月に発表した7月時点の生活保護受給世帯は160万8,994世帯3カ月連続で過去最多を更新しました。受給者の多くは高齢者世帯、病気や障がいで働くことができない人や母子家庭が占めていますが、失業や非正規雇用等から現役世代を含む「その他世帯」の増加が顕著となっています。昨年の「その他世帯」は29万世帯、10年前の4倍となっています。
座間市の「その他世帯」の状況は51世帯から396世帯となりこの10年で7.7倍となり、経済的困窮をはじめ、社会とつながりをもてないなど、様々なリスクを抱え生活に困窮する人たちの増加が窺えます。
こうした中、生活困窮者を生活保護に至る前で様々な支援を行う「生活困窮者自立支援法」が2015年4月施行となります。これにより福祉事務所設置自治体は、「自立相談支援事業」が必須事業に、また「就労準備支援事業」「一時生活支援事業及び家計相談支援事業等」が任意事業とされました。座間市も相談窓口設置が必須となりますが現在、積極的に準備を進める状況にはなっていません。まずは生活困窮者を包括的に受け止める(ワンストップ)相談支援や訪問相談支援(アウトリーチ)体制の早期構築に向けては、庁内連携体制の構築(教育・福祉・住まい・仕事など関係所管課)が急がれます。また、制度の周知をはじめ市内企業や事業所に対し就労体験や訓練の場として受け入れへの理解を深める取り組み、受け入れ企業や事業所に対しては優先調達や税制優遇、さらには指定管理者との協定に就労訓練受け入れを盛り込むなど、様々な手法を取り入れ制度の実効性を高めていくことが重要性と考えます。